皆さん、オリーブレザーというレザーはご存じでしょうか?

レザーといえば、栃木レザーや姫路レザーなどなど・・・

さまざまな種類がありますが、オリーブオイルを使っためずらしいレザーは知っていますか?

ちょっと不思議なオリーブレザー。

知っておくと、ためになるレザーの保水量、また、美容にもうれしいオリーブオイルでのケア方法まで

今回は皆様にオリーブレザーにまつわるお話をお届けします。

オリーブってどんな植物?

オリーブとは学名でいうとOlea europaea。

和名はオリーブです。

モクセイ科、オリーブ属で、おなじモクセイ科にはモクセイ、ジャスミン、ライラックなどが入ります。

原産地は小アジアで、収穫期は10月下旬~11月中旬。

熱に強く、寒さにも弱くないような銀葉が美しい背の高い樹です。

オリーブレザーとは?

オリーブレザーとは、四国の香川県にあるエールック株式会社が、革生産の本場である近畿地方西部、兵庫県の姫路の革職人と共に、開発したオリジナルの革素材です。

国産・北米黒毛牛の中から上質な皮だけを選りすぐり、環境にやさしい植物タンニンと瀬戸内海・播磨灘にある島、香川県小豆島(しょうどしま)で精製された高級オリーブオイルを使い、長時間じっくりとなめし丁寧に仕上げた商標登録済みのレザーです。

レザー(革)になぜ保湿力が必要なの?

レザーの健康な状態はどういう状態かご存知でしょうか。

レザーの表面は水に弱く、雨に当たったりすると濡れた部分が変色して、シミになったり、水分を含んで変形したりしてしまいます。

防水スプレーを吹き付けて水から守ることも多いですよね。

けれども、実は内部の芯の部分には30%程の水分がないと健康的な状態とは言えないのです。

革の平均含水率は15%といわれています。

相対湿度が75%以上ではカビが発生し、革の繊維が膨らみます。

一方、相対湿度が25%以下では、革の収縮が起こります。

乾燥と熱により、商品を使いこんでいく内に革の芯の水分が徐々に蒸発し、乾いていくことにより元には戻ることのできない革の変形が起き、レザーの表面がひび割れたり、劣化していくことがあります。

高品質なレザー商品は長年使い込んで、経年変化による風合いを楽しむ点に良さがありますが、使い込んでいくうちに革が不健康な状態になってしまい、ボロボロに痛んでしまえば、その風合いも消えてしまいます。

このようなことから、革を美しく保つには、30%前後の水分が必要ですので、オリーブオイルがピッタリです。

なぜただの油ではなく、オリーブオイルを選ぶの?

オリーブオイルに含まれる成分の中には、オレイン酸という成分があります。

そのオレイン酸の効能の中で最大の特徴は「保湿力」にあります。

百貨店のコスメカウンターなどでもオレイン酸成分入りの保湿基礎化粧品などが販売されており、美容に関心の高い女性からも人気があります。

なんと、はるか昔、古代エジプトの女王クレオパトラも美容のために愛用していたとか。

肌なじみがよく角質層への浸透効果や保護効果に優れており、ビタミンE、スクワランといった天然の美容成分がたっぷり含まれているので、肌の保護や保湿を助けてくれます。

つけてよし、食べてよし、のオリーブオイルなのです。

オリーブオイルを美容に使うには?

そんな保湿にすぐれたオリーブオイルを美容にもつかいたい♪という方へ向けた簡単な毎日のケア方法をお伝えします。

薄めメイクの日のクレイジングとして

約3mlのオリーブオイルをあご・ほほ・ひたい・鼻の順に、両手の中指と薬指を使ってらせんを描くようにメイクを浮き上がらせます。

ティッシュでやさしく押さえるようにして取り、その後洗顔料などで洗顔します。

ポイントメイクには、水で湿らせかたく絞ったコットンに約1mlのオリーブオイルを含ませ、目元や口元のメイクとなじませて、やさしくそっと拭き取ります。

保湿オイルとして

化粧水などのお手入れの一番最後に少量のオリーブオイルを手にとり、一度手のひらにのばしてから、 お肌にやさしくそっとなじませます。

体の乾燥には、入浴後の 濡れた肌に使うとより肌に浸透しやすくなるそうです。

シャンプー前のトリートメントに

えっ?シャンプーの前に油?と思われそうですが、実はプレシャンプーとしてもピッタリなんです。

髪と頭皮に約4mlのオリーブオイルを指の腹を使って頭皮をマッサージしながらなじませヘアキャップで覆います。

約30分後にシャンプーします。

ヘアキャップの代わりにホットタオルを使う場合は、約5分後にシャンプーします。

シャンプーで落としきれない毛穴の汚れや余分な皮脂を浮かび上がらせて頭皮を清潔にし、頭皮を活性化させる効果があります。

お肌に合うかどうか、その日の体調やご自身の体質によっては、合わない場合もあるので、無理はせず、具合を見ながら試してみてくださいね♪

オリーブの効果を保ち続けるには?

もちろん、オリーブオイルが入っているからといって効力が永久ではありません。

月に1度くらいレザークリームでお手入れをすると革製品によくある色とびや色褪せなども少なくなり、購入したときの状態で長持ちします。

また、手入れをすると商品はより早く手に馴染んできます。

手入れをしながら徐々にお客様に一番あった商品へと、作り手と二人三脚で完成させていく革製品独特の世界が待っています。

オリーブオイルの保湿成分を最大限活かしつつ、革独特の臭みが消えたり、また触れた際のしっとりとした上質な質感を実現させるためには、幾度も開発テストを重ね、成功するまでに何年もの歳月が必要でした。

オリーブレザーは、地元香川の小豆島の方々はもちろん、イタリアよりタンナー(革のなめし職人)を招待し、技術共同開発によって、ついに成功した世界でも特殊なレザーとなったのです。

香川県の名産として認定されているオリーブレザー。

国連旗にも描かれているオリーブはヨーロッパの方では平和の木、幸せの木または、長命、長寿の意味もあります。

「平和の象徴」としてハトが葉を口にくわえているデザインをラッキーモチーフなどで見たことがあるかもしれませんが、あの葉はオリーブです。

「平和のシンボル」とされるのは「旧約聖書」のノアの箱舟のエピソードに由来します。

ハトがくわえてきたオリーブの枝を見て、ノアは洪水が引いたことを知ったのです。

自分へのご褒美として、手間暇かけられた特別なオリーブレザーを、あなたも手に入れてはいかがでしょうか?